[camera][exhibition] EOS 5D Mark IV @ 東京国立近代美術館

東京国立近代美術館の『トーマス・ルフ展』に行ってきました。リンク先の公式サイトによれば、

トーマス・ルフ(1958年ドイツ、ツェル・アム・ハルマースバッハ生まれ)は、アンドレアス・グルスキーやトーマス・シュトゥルートらとともにデュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻に学んだ「ベッヒャー派」として、1990年代以降、現代の写真表現をリードしてきた存在です。

ということで、「アートとしての写真」方面にはまったく疎い私でも名前くらいは知っている大御所的な存在ですが、本展は日本で初めての本格的な回顧展として、代表的なシリーズから数点ずつ、網羅的に集めており、非常に見応えのある展示になっています。

個人的には「高度に発達した現代アートは何だかよくわからない」派なので、近年の作品群についてはうまく受け止めることも言葉にすることもできないのですが、デュッセルドルフ及びその近郊のごく普通の建造物を撮影した「Houses」シリーズや、彼の身近な人々の住む家の内部の諸々を自然光でありのままに写す「Interiors」シリーズは、本当に何気ない被写体ばかりでありながらも、奇妙に響いてくる作品がさりげなく混入していて、まさにそういう体験がしたくて写真展に来ているんだ、というそのものズバリの感動がありました。

図録も買って、二階の簡易カフェテリアみたいなところでパラパラと眺めてたんですが、やっぱりプリントと印刷では色合いが違っていて、やはり現物を見ないと分からないものがあるなぁ、と。良い悪いとはまた別の軸かとは思うんですが、今回、私が気に入った作品について言えば、プリントの方の色合いの方が明らかに好みに合っていてしっくりくるんですね。ちなみに、図録と合わせて、その作品が収録された写真集も眺めてみたんですが、そちらもやはりプリントとは少し違っていて、まぁある意味、わざわざ足を運んで実物を見に来た甲斐があった、ということで良いのかもしれません。

***

さて、今日もEOS 5D Mark IVを持ち出していて、カラーで撮っているのにモノクロっぽくなる天気の中、あわよくばEOS 5DS Rと実写比較を、と思っていたんですが、第一目的地の美術館に思わず長居してしまって時間がなかったのでそれはまた改めて。ただ、手持ちで適当に比べた感じだと、画素数の差から受ける印象ほどに、解像感には大きな違いは出ないように思えます。あとは5DS Rの方がほんの気持ちくらい、色が濃く出るかなぁ、という気もしますが、このあたりはもう少し確認しないとなんとも。とりあえず手持ちなので厳密な比較にはなりませんが(構図もピント位置もずれてる)、設定はすべて揃えてDigital Photo Professionalから素現像した写真を1組だけ。

どちらもEF24-70mm f/2.8L II USM(焦点距離50mm)で、ISO100、f/4の1/50 secで撮っています。現像時に適用したピクチャースタイルは「ディティール重視」からコントラストを-2、色の濃さを-1したものです。

(※どちらもクリックすると原寸画像が開きます)

_dsr5561-2

_5d40439-2

 

ちゃんと比べるならやはり三脚くらいは出さないといけないんでしょうね。

[camera] EOS 5D Mark IVによるJPEGサンプル

前回のエントリに引き続き、EOS 5D Mark IVのJPEG撮って出しのサンプルです。六本木の国立新美術館から明治神宮前までぶらぶらと歩きながら撮った写真ですが、例によって個人的な嗜好によりアンダーに偏っているので、あまり「作例」などと胸を張れるものではないのですが、とりあえず。

(※以下、写真をクリックすると原寸画像が別ウィンドウで開きます。)

 

まず国立新美術館、2Fから階下のカフェスペースを見下ろしたところ。EF24-70mm f/2.8L IIの広角端で、開放です。(なので左奥の方はちゃんと写っていません)

_5d40171

この日は曇っていて窓から入る光があまり強くないのですが、何となくハイライト側の描写が従来機と違っているように感じます。ちなみにピクチャースタイルは「ディティール重視」をベースに、そこからコントラストと色の濃さを1レベルずつ落としています。5DS Rと比べると画素数はかなり少なくなるのですが、実写では(ある意味当然ながら)解像度に不足は感じません。

次も同じく、国立新美術館の中で、同じくEF24-70mm f/2.8LL IIの広角端、ただし今度はf/4に絞っています。

_5d40251

まぁ見てのとおり露出アンダーでアレですが、実はこの撮って出しのJPEGでも結構暗部が残っていて、このまま持ち上げていくと天井面の細かい筋がしっかり見えてきます。Lightroomではまだ扱えないので未確認ではありますが、RAWファイルならもっと頑張ってくれそうな期待感があります。

続いて国立新美術館から少し歩いて表参道方面。またEF24-70mm f/2.8L IIの広角端です。ちょっと深みのある「色」がどう写るか、というテストです。

_5d40296

私はデジカメ自体、キヤノンからスタートしているので刷り込み的な話もあって元々キヤノンの色が好きなんですが、そういう意味でもこのMark IVは正常進化というか、同じ血統だなぁという感じ、個人的には非常に好ましい限りです。一方、このショットには入っていませんが、キヤノンのカラーレンダリングの長短を考えた時の「短」の方にくる、木の葉の緑とかの色褪せとかくすみ感も相変わらずです。ただ、今回のオートホワイトバランスの「ホワイト優先」はちょっと試した限りでは好みに合いそうなので、もう少し模索が必要な気がしています。

さらに移動して「東急プラザ表参道原宿」のエントランス。これもEF24-70mm f/2.8L II広角端です。色々撮ろうと思って出発しても、一番最初に好きなレンズを着けていってしまうとえてしてこういうことになってしまいます。

_5d40320

この階段はある意味、定番スポットといってもいいんじゃないかというほどよく見かける被写体なんですが、自分で撮るのは今回が初めてだったりします。なにせ他の用事がない場所なので、多少撮ってみたいと思っていても、そのためだけに原宿方面、というのはなかなか足が向かないわけですが、こういうメジャーなポイントに限らず、もう少し頑張って出かけてみるべきなのかもしれません。

もう一枚、同じところで、今度はEF50mm f/1.2Lの開放で。

_5d40332

ちなみにJPEG撮って出しと言いつつ、5D Mark IVではDIGIC 6+のパワーもあって、デジタルレンズオプティマイザを始めとして、カメラ内で各種の補正がかけられるようになっています。とりあえずここでは色収差と回折の補正だけONにしているんですが(周辺減光はむしろwelcome)、一点注意が必要なのはDPRAWで撮影しているときはデジタルレンズオプティマイザはONにできない、ということでしょうか。

最後、帰る直前、地下鉄への階段を下りながらの一枚です。こちらもEF50mm f/1.2Lの開放。

_5d40377

この湿り気も実に好ましいんですが、3000万画素というのは、決して低画素数ということではないものの、5DSの5000万画素超というところを通過してきた今となっては、気のせいではあるんでしょうが、何というか丸まった感じがして、これもまた一つの味わいとなっている感があります。今回は一台だけ持って歩きながら撮る、ということだったので直接の比較はしていませんが、細かい描写力が活きるような被写体で同条件で撮り比べてみるのも楽しそうです。

 

ということで、他の方にとって多少なりと参考になるかどうか分かりませんが、JPEGでの街撮りのサンプルでした。

ちなみに5D Mark IVは5DS Rと比べるとメーカー公称40gも軽く、同じバッテリーで200枚余分に撮れ、GPSとWiFiまで備えてますので、散歩がてらに持ち出して街撮り、という観点では結構な優位性があります。WiFiでタブレットなりスマホなりに転送してJPEGをそのままどこかにアップする、という使い方だと、前述のカメラ内補正もかなり重要になってくるので、そうした用途がメインの方なら乗り換えは全然アリかなという気がします。